実地調査におけるアンケート アナログ or デジタル?
2025/06/13
実地調査におけるアンケートは、リアリティのある生活者の声を拾い上げることができる貴重な手法です。
現在はタブレットやスマートフォンなどのデジタルツールを用いたアプローチが広まる一方、
アンケート票を用いる従来のアナログツールを用いたアプローチも根強く活用されています。
どちらにもそれぞれ良い点と注意点があります。以下にその比較をまとめてみました。
【デジタルツールを用いたアンケート】
○良い点
- 効率性の向上:回答はその場で送信され、データ集計や分析が迅速に行えます。アンケート票を用いた形式と比べ、比較的短時間でアンケート結果を確認できるメリットがあります。
- 自由度の高い設問設定が可能になる:質問の分岐やロジックを組み込むことで、回答者ごとに最適な設問を提示することができます。また、設定により多言語にも対応することができます。
- コスト削減:デジタルによるアプローチで矛盾回答などの制御が可能になり、必要人員が軽減されるケースもあり、コストダウンに繋がることがあります。
▲注意点
- 操作の難しさ:高齢者やデジタル機器に不慣れな人にとっては入力が難しいこともあるため、苦手意識から協力率が低下する可能性があります。
- 回答精度が低下しやすい:調査員との接触が少ないがゆえに、適当に回答される、内容の薄いデータばかりが集まる、誤送信などの恐れがあります。ただし、調査員による入力を前提とする聞き取り方式での実施とすることで、軽減は可能です。
【アンケート用紙を用いたアンケート|従来方式】
○良い点
- 回答精度の向上:調査員によるその場での質問の補足や誤答の修正が可能で、質問の意図に沿う精度の高い回答を得ることができます。
- 回答の深掘りがしやすい:評価の理由など回答を深掘りして確認したい場合も、アンケート用紙であれば回答を容易に把握しやすく、ズレのない深掘りが可能になります。
- 回答の手軽さ:高齢者や機械操作が苦手な人にとっても親しみやすく、容易に回答ができます。
▲注意点
- データ化が必要:収集したアンケート結果を集計・分析可能な形とするには、データ化が必須となり、その為の時間とコストが必要になります。
- オペレーションが重要:デジタルとは異なり、矛盾回答などの確認は調査員が実施することになります。質問の意図をしっかりと理解した調査員が調査に携わることが大切なポイントになるため、調査員への的確なレクチャーが重要となります。
【まとめ】
アンケートは手段です。調査目的や対象により、最適な手段の選択が必要になります。
対象が若年層、質問内容がシンプルな選択式といったケースでは、デジタルのメリットを活かしてデジタルツールでのアプローチが適していると考えられます。一方で老若男女幅広い層の声を収集したいケースや深い視点でのデータを得たいケースなどでは、アンケート用紙などのアナログツールでのアプローチが活きてきます。
また、どちらか一方ではなく、デジタルとアナログを組み合わせたハイブリッド形式も考えられます。
デジタル、アナログそれぞれの良さを理解した上で、最適なアンケート手段を選択することが重要です。
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