商品開発・コンセプト受容性調査

「売れそう」と「売れる」は、
別の話だ

5段階で「買いたい」と答えた人の多くは、実際には買いません。コンセプト調査の価値は、案に点数をつけることではなく、このまま進めるのか・直すのか・やめるのかを、社内で握れる形にすることにあります。

  • コンセプト受容性評価
  • 複数案の絶対評価・相対評価
  • ネーミング・パッケージ調査
  • 価格受容性(PSM分析)
  • 会場調査(CLT)・ホームユーステスト
調査のご相談・お見積り
有望 差別化が弱い 直せば化ける 見送り候補 ─ ノルム A 意向43% B 伝え方を直せば 有望エリアへ C ← 新奇性(低) / (高) → ↑ 購入意向(高) ↓ 購入意向(低) A案 B案(要改善) C案(見送り候補)
01 BACKGROUND

なぜ、コンセプト段階で判断する必要があるのか

商品開発は、進むほどに引き返せなくなります。金型を起こし、原料を押さえ、パッケージを刷り、営業に説明した後で「やはり売れないかもしれない」と気づいても、もう止められません。コンセプト調査の本質的な価値は、まだ安く引き返せる段階で判断材料を手に入れることにあります。

やり直しコストは、後工程になるほど跳ね上がる

開発ステージ別の修正・中止コストの概念図

アイデア コンセプト 試作・処方 量産準備 上市後 修正コスト 小 まだ書き直せる 試作費が発生 金型・資材・販促費 在庫・撤退・信用 コンセプト調査で判断する領域 ここで気づいても、もう引き返せない

コンセプト段階での「やめる」判断は、開発費を数百万円で止められることを意味します。同じ判断を上市後に下せば、在庫処分・棚落ち・取引先との調整・ブランドへの傷まで含めて、桁がいくつも変わります。調査費用は、この差額に対する保険として評価するのが実務的です。

01

社内の「良いと思う」は当てにならない

開発に関わるほど、その商品に詳しくなります。しかし消費者は、説明を受けずに数秒で判断します。作り手の理解度を前提にした評価は、ほぼ確実に上振れします。

02

案が複数あるほど、決められなくなる

どの案にも支持者がいて、どれも一長一短に見える。決め手がないまま声の大きい人の意見で決まる――という状況は、判断基準を外に置くことでしか抜け出せません。

03

失敗は数字以外のコストも残す

撤退した商品は、取引先との関係、営業の士気、次の企画の通しにくさにも影響します。金額に表れないコストほど、後から効いてきます。

02 BASIC KNOWLEDGE

コンセプト受容性調査とは、何を測るのか

開発した(あるいはこれから開発する)新商品・新サービスのコンセプトが、市場にどの程度受け入れられるかを上市前にターゲットから評価してもらい、開発を進めるかどうかの判断材料にする調査です。ネーミング調査・パッケージ調査・価格調査も、この枠組みの中で一連として実施するのが一般的です。

コンセプトとは、商品の「骨組み」

コンセプトは、商品そのものではなく概念です。誰に/何を/なぜそれが必要で/どのくらいの価格で――この4点が言語化されていれば、実物がなくても評価は取れます。逆に言えば、この4点が曖昧なまま調査にかけると、回答者がそれぞれ別のものを想像して答えるため、データは意味を持ちません。

WHO ― 誰のための商品か

ターゲットが定義されていないコンセプトは評価できません。「全員向け」は「誰にも刺さらない」とほぼ同義です。

WHAT ― 何ができる商品か

機能・特徴の記述。専門用語を並べると理解度が落ちるため、生活者の言葉に翻訳する必要があります。

WHY ― なぜ嬉しいのか

機能ではなくベネフィット。ここが弱いと「わかるけど、で?」という反応になり、購入意向が伸びません。

HOW MUCH ― いくらなのか

価格の有無で評価は大きく変わります。価格を伏せた評価は、意向が上振れしやすい点に注意が必要です。

評価6項目 ― それぞれが診断している「別のこと」

コンセプト評価では、以下の項目を5段階尺度で聴取するのが標準です。重要なのは、これらが並列の評価軸ではなく、それぞれ違う原因を診断しているという点です。

評価項目何を診断しているかスコアが低いときに疑うこと
理解度そもそも内容が伝わっているか。他の全項目の前提コンセプト文が長い・専門的・情報過多。まず文章の問題を疑う
新奇性既存品との違いが伝わっているか「よくある商品」と見られている。差別化点の言語化不足
興味関心度入口としての引きがあるかターゲットのニーズとずれている、または提示の順序が悪い
魅力度ベネフィットが自分ごとになっているか便益が抽象的。「誰のどんな場面で」が描けていない
信頼度「本当にそうなの?」を越えられているか根拠・技術・実績の裏づけが提示されていない
購入意向総合的な受容度。判断の主指標単独では原因が分からない。上の5項目とセットで読む
理解度は、必ず最初に確認してください。理解度が低いまま「魅力がない」「意向が低い」と結論づけると、伝え方の問題を、コンセプトそのものの否定と取り違えます。実際には「良い案なのに文章が悪かっただけ」というケースは非常に多く、ここで有望案を捨ててしまうのが、コンセプト調査で最も損失の大きい失敗です。

絶対評価と相対評価 ― 両方やる理由

絶対評価

1案ずつ、単独で評価してもらう

1つのコンセプトを提示し、他と比べずに5段階で評価します。「市場に出せる水準か」を判定できるのが強みです。

  • ◯ 単独での実力が分かる
  • △ 中間回答が集まり、案の間に差がつきにくい
  • △ 基準がないと「40%」の良し悪しを判断できない
相対評価

複数案を並べて比較してもらう

複数のコンセプトを同時に提示し、順位づけや一対比較で選んでもらいます。「どれが一番か」が明確に出るのが強みです。

  • ◯ 案の優劣がはっきりする
  • △ 「弱い中の1位」を選んでしまう危険がある
  • △ 提示順の影響を受ける(ローテーション設計が必須)
どちらか一方では判断できません。絶対評価で「出せる水準か」を、相対評価で「どれを選ぶか」を判定する。この2段構えにして初めて、「1位だが、どれも水準に届いていないので全案やり直し」という、最も価値のある結論も出せるようになります。
03 CORE

「点数」を意思決定に変える3つの読み方

コンセプト調査でつまずくのは、実査ではなく解釈です。数字は出たが、それが良いのか悪いのか誰も判断できない――この状態を避けるための、3つの読み方をご紹介します。

読み方①|絶対 × 相対を組み合わせる

「出せる水準か」×「どれを選ぶか」

絶対評価だけだと全案が中位に固まり、相対評価だけだと弱い中の1位を選んでしまいます。両方を同じ調査の中で取得し、掛け合わせて読みます。

◯ 「全案やり直し」という結論も出せる

読み方②|基準(ノルム)と比べる ★重要

スコアは絶対値では読めない

購入意向TOP2が40%。これは高いのでしょうか。単独では判断不能です。同じカテゴリーの過去案件や、既に売れている既存商品を同じ調査票の中で評価してもらい、社内の基準値を作ります。

◯ 既存品を「隠しコントロール」として混ぜる設計が有効

読み方③|平均ではなく層別に見る

全体平均は、誰の意見でもない

全体では平凡でも、特定のセグメントには強く刺さっている案があります。全体平均だけで1案に絞ると、その層を丸ごと捨てることになります。

◯ ターゲットを定義してから比較する

購入意向は、必ず上振れします。アンケートで「買いたい」と答えることには、何のコストもかかりません。実際の購買には、お金を払う・棚まで行く・他の選択肢を諦めるという摩擦があります。購入意向の絶対値を、そのまま売上予測に使わないでください。意向スコアは、案どうしの比較と、過去の基準値との比較に使うべき指標です。フェイス・コムでは、TOP1(ぜひ買いたい)とTOP2(買いたい計)を分けて報告し、どちらで判断するかを事前に決めておくことをご提案しています。
そして最も重要なこと ― 合格ラインは、結果を見る前に決めてください。「購入意向TOP2が◯%を超えたら次の工程へ進む」という基準を、実査前に文書で握っておく。これをやらずに結果を見てから基準を議論すると、結論はほぼ必ず「もう少し検討して進める」になります。止めるための調査が、進めるための言い訳に変わってしまう。この一手間が、コンセプト調査を機能させるかどうかを決めます。
04 BENEFIT

調査から得られる効果

コンセプト調査の効果は「良い案が分かる」ことだけではありません。開発プロセスそのものを前に進める力があります。

やめる判断ができる

最も価値が大きく、最も出しにくい結論です。第三者のデータがあることで、社内の力関係に左右されずに中止・保留を決められます。

案を絞り込む根拠ができる

好みや声の大きさではなく、ターゲットの評価で選べます。落選した案の関係者にも説明がつく形になります。

直すべき箇所が特定できる

6項目のどこが低いかで、修正すべきは訴求文なのか、便益なのか、根拠の提示なのかが分かります。捨てずに直せる案が見つかります。

ターゲットが定まる

「誰に一番刺さるか」がデータで見えます。開発の前提だったターゲットと、実際に反応する層がズレているケースは珍しくありません。

価格の落としどころが分かる

受容価格帯を把握することで、原価から積み上げた価格が市場感覚とどれだけ乖離しているかを確認できます。

上市後の訴求に使える言葉が手に入る

「なぜ良いと思ったか」の自由回答は、そのままパッケージコピーや広告の素材になります。作り手の言葉より強いことがよくあります。

05 METHOD

調査手法 ― 開発フェーズに応じた使い分け

コンセプトをどう評価してもらうかによって、適した手法は変わります。文章や画像の提示で足りるならインターネットリサーチ、実物を見て・触って・試してもらう必要があるなら会場調査(CLT)――というのが基本の分岐です。

開発フェーズと調査手法のマッピング

定性で仮説をつくり、定量で検証する。この順序が基本

① アイデア 探索 ② コンセプト 絞り込み ③ コンセプト 検証 ④ 実物・ 試用評価 ⑤ 上市前 最終確認 グループインタビュー/デプス 仮説とコンセプト言語をつくる インターネットリサーチ 複数案の絶対評価・相対評価 会場調査(CLT) 実物・試食・パッケージ・操作性 ホームユーステスト(HUT) 実際の生活環境で一定期間使用 価格調査(PSM等) 受容価格帯 最終価格の検証 ※ ①②の定性調査を飛ばして定量に入ると、「そもそも選択肢に入っていない観点」を取りこぼしたまま検証してしまうことがあります。

定量調査は「用意した選択肢の中での順位」しか教えてくれません。選択肢そのものが間違っている可能性を潰しておくのが、初期の定性調査の役割です。予算が限られる場合でも、少人数のデプスインタビューを挟むだけで、コンセプト文の質は大きく変わります。

METHOD A

インターネットリサーチ

コンセプト文・イメージボード・動画を提示して評価を得る手法。複数案を大規模サンプルで比較するのに最も適しています。

  • 複数コンセプトの絶対評価・相対評価
  • ネーミング案・キャッチコピー案の評価
  • パッケージデザイン案の画像提示評価
  • 価格受容性(PSM分析など)
  • ターゲット層別の受容度比較
METHOD B

会場調査(CLT)・ホームユーステスト(HUT)

実物を伴う評価に用います。五感を通した評価や、実際に使ってみた後の評価は、画面越しでは絶対に取れません。

  • CLT:試食・試飲・香り・触感・操作性の評価
  • CLT:パッケージの実寸・棚での見え方の確認
  • CLT:競合品とのブラインド比較
  • HUT:一定期間の使用後評価・継続意向
  • HUT:使用実態の観察(想定外の使われ方の発見)

手法別の特性比較

インターネットリサーチ会場調査(CLT)ホームユーステスト(HUT)
提示できるもの文章・画像・動画実物(試作品・サンプル)実物を持ち帰って使用
向いている段階コンセプトの絞り込み・検証実物ができた後の評価使用後の満足・継続意向の確認
評価できる案数1人あたり3〜5案程度(設計次第で拡張可)2〜4案程度1〜2案
サンプル数数百〜1,000以上1会場あたり50〜200程度50〜150程度
期間の目安2〜4週間程度4〜6週間程度5〜8週間程度
注意点実物の質感・味は評価できない会場という非日常環境での評価使用状況をコントロールできない

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06 ANALYSIS

分析メニューと事例イメージ

フェイス・コムが標準的にご提供する分析アウトプットを、サンプルでご紹介します。以下の数値はすべて架空のサンプルです

① コンセプト別 評価プロファイル ― どこが強く、どこが足りないか

各案の6項目スコアを重ねると、案ごとの「かたち」の違いが一目で分かります。総合点の順位よりも、プロファイルの形状を読むことのほうが、次のアクションに直結します。

3コンセプト案の評価プロファイルSAMPLE

共働き世帯向け冷凍食品ブランド/インターネットリサーチ n=1,200/各項目 5段階のTOP2率(%)

A案「15分の献立が5分で」 B案「一食で野菜1/2日分」 C案「店の味を家庭で」
40 60 80 新奇性 興味関心 魅力度 購入意向 信頼度 理解度 スコア(TOP2率・%) 項目 A案 B案 C案 新奇性314422 興味関心585146 魅力度544744 理解度765871 信頼度493852 購入意向433436 同カテゴリー過去12案件の 購入意向ノルム値:38%

読み取り例:A案は購入意向43%でノルム値38%を上回り、理解度も76%と高い。ただし新奇性31%が弱く、「わかるが目新しくない」=既存品に埋もれるリスクを抱えています。一方B案は新奇性44%で3案中最高なのに、理解度58%・信頼度38%が足を引っ張って意向34%にとどまっている。これは「B案が負けた」のではなく「B案の伝え方が未完成」ということです。ここを取り違えると、最も伸びしろのある案を捨てることになります。

② 受容性マップ ― 新奇性と購入意向の組み合わせで読む

2つの軸を掛け合わせると、各案が置かれた状況と打つべき手がはっきりします。基準線には全体平均ではなく、過去案件から算出したノルム値を使うのが、フェイス・コムの標準です。

新奇性 × 購入意向の受容性マップSAMPLE

基準線=同カテゴリー過去12案件のノルム値(新奇性32% / 購入意向38%)

新奇性ノルム 32% 購入意向ノルム 38% 手堅いが差別化が弱い 有望(このまま進める) 見送り候補 伝え方に課題(直せば化ける) 202530 35404550 253035 404550 新奇性(TOP2率・%)→ 購入意向(TOP2率・%)→ A A案(31, 43) B B案(44, 34) C C案(22, 36)

右下の象限にある案を「不合格」として捨てるのは早計です。新奇性が高いということは、少なくとも「他と違う」と認識されているということ。理解度と信頼度が原因で意向が伸びていないなら、それは商品の問題ではなく説明の問題であり、書き直して再検証する価値があります。

③ セグメント別 購入意向 ― 全体平均は、誰の意見でもない

全体スコアで1案に絞る前に、必ず層別で確認します。全体では負けている案が、狙うべきターゲット層では勝っている――このパターンは頻繁に起こります。

セグメント別の購入意向(A案 vs B案)SAMPLE

購入意向 TOP2率(%)/同一調査 n=1,200

A案「15分の献立が5分で」 B案「一食で野菜1/2日分」
0204060% 共働き・子どもあり 61 39 共働き・子どもなし 48 41 単身(20〜34歳) 39 47 単身(35歳以上) 34 28 専業主婦(夫)世帯 33 22 全体 43 34

読み取り例:全体ではA案43% vs B案34%でA案の勝ちに見えます。しかし層別で見ると、A案の強さは「共働き・子どもあり」層の61%に支えられており、「単身20〜34歳」ではB案47%がA案39%を明確に上回っています。もし主戦場を単身若年層に置くなら、全体平均でA案を選んだ瞬間に、狙うべき層を取りこぼすことになります。

④ 価格受容性(PSM分析)― いくらなら受け入れられるか

PSM分析(Price Sensitivity Meter)は、価格について4つの質問を行い、その回答分布の交点から受容価格帯を導く手法です。原価から積み上げた価格が、市場の感覚とどれだけズレているかを確認できます。

聴取するのは次の4問:「①いくらから安すぎて品質が不安か」「②いくらから安い(お買い得)か」「③いくらから高いか」「④いくらから高すぎて買わないか」。

PSM分析による受容価格帯SAMPLE

A案(1食あたり)/n=1,200/各回答の累積構成比

安すぎる(品質が不安) 安い(お買い得) 高い 高すぎる(買わない)
0255075100% 200250300 350400450 500550600 価格(円) 想定売価 400円 1 2 3 4 ① 最低品質保証価格 約 330円 これ以下は品質を疑われる ② 理想価格 約 360円 価格抵抗が最も小さい ③ 妥協価格 約 385円 多数が納得する水準 ④ 最高価格 約 410円 これ以上は購入を諦める 受容価格帯:330円 〜 410円。 想定売価400円は上限のすぐ手前で、値上げ余地も値引き耐性もほとんどない。

読み取り例:受容価格帯は330〜410円、理想価格は約360円。想定売価400円は許容上限の410円に張りついており、価格改定の余地がほぼありません。このまま出すなら、内容量や付加価値で400円の納得感をつくるか、理想価格360円に寄せて数量で回収するか、いずれかを事前に決めておく必要があります。
なお PSM は「いくらまでなら払うか」を測る手法であって、その価格で何個売れるかは示しません。販売数量の予測には、購入意向や競合価格との併用が必要です。

⑤ その他のご提供分析

ネーミング評価

複数のネーミング案について、想起しやすさ・読みやすさ・商品内容との一致度・好意度を比較します。

パッケージデザイン評価

棚での視認性、商品カテゴリーの伝わりやすさ、ターゲット適合度を案ごとに比較。CLTでは実寸・棚什器での確認も行います。

購入意向のドライバー分析

6項目のうち、どれが購入意向を最も押し上げているかを定量化。改善の優先順位づけに使います。

コンジョイント分析

機能・容量・価格などの組み合わせを提示し、消費者が何にいくら払う価値を感じているかを推定します。

自由回答の分類・言語抽出

「なぜ良い/良くないと思ったか」を分類。上市時のコピーやパッケージ表現の素材にもなります。

競合品とのブラインド比較

ブランド名を伏せて評価してもらい、中身そのものの競争力を確認します。CLT・HUTで実施します。

※ 本ページに掲載しているグラフ・数値は、分析イメージをご説明するための架空のサンプルデータです。

07 USE CASE

こんなことに活用すると良い

実際にご相談の多い活用シーンです。コンセプトがまだ荒い段階でも、むしろその方が打てる手は多く残っています。

CASE 01 / 新商品開発の初期スクリーニング

「10案あるが、どれに開発費を投じるか決めたい」

まず全案を絶対評価にかけて水準に達しない案を落とし、残った案を相対評価で順位づけします。案数が多い場合は、1人あたりの提示数を制限したうえでローテーション設計を組み、回答負荷による精度低下を防ぎます。

CASE 02 / ネーミング・パッケージの選定

「社内で意見が割れて決まらない」

コンセプトを提示したうえでネーミング案・デザイン案を評価します。「好き嫌い」ではなく「商品内容が伝わるか」「棚で目に留まるか」という機能面の評価軸を置くことで、議論が主観から離れます。

CASE 03 / 価格設定

「原価から出した価格が、市場感覚と合っているか不安」

PSM分析で受容価格帯を把握し、想定売価との距離を確認します。価格提示あり/なしの両条件で購入意向を測ると、「価格が意向をどれだけ削っているか」も定量化できます。

CASE 04 / 既存商品のリニューアル

「変えていい部分と、変えてはいけない部分を知りたい」

現行品と改良案を同一調査内で比較します。既存ユーザーと非ユーザーで評価が割れることが多く、「既存客が離れるリスク」と「新規が増える可能性」を天秤にかけた判断ができるようになります。

CASE 05 / ターゲットの再定義

「そもそも誰の商品なのかが定まっていない」

幅広い層に評価してもらい、セグメント別の受容度から「最も刺さる層」を特定します。開発時に想定していたターゲットと、実際に反応する層がズレているケースは珍しくありません。

CASE 06 / 社内の意思決定プロセス改善

「結局いつも役員の好みで決まってしまう」

判断基準を事前に決め、第三者データで判定する流れを一度作ってしまうと、以降の開発案件でも同じプロセスが使えます。調査の副産物として、意思決定の型が社内に残ります。

08 FLOW

調査の進め方・期間の目安

インターネットリサーチ中心であれば6〜9週間程度、CLTやHUTを含む場合は10〜14週間程度が目安です。開発スケジュールの締切から逆算してご相談ください。

  1. ヒアリング・判断基準の設定1〜2週

    調査の目的と、「何点を超えたら次に進めるのか」という合格ラインを、実査の前に文書で確定します。過去案件のデータがあればノルム値として整備し、なければ既存商品を調査票に組み込む設計にします。このステップを飛ばすと、結果が出た後で基準の議論が始まり、調査が判断材料として機能しません。

  2. コンセプトシートの作成・調整1〜2週

    提示するコンセプト文を、生活者が数秒で理解できる形に整えます。ここでの文章の質が、そのまま理解度スコアになります。社内文書のまま提示すると、コンセプトの実力が測れません。文言の推敲からご一緒します。

  3. (推奨)定性調査による仮説形成2〜3週

    グループインタビューやデプスインタビューで、想定していなかった評価軸や引っかかりを拾います。少人数でも、コンセプト文の改善には大きく効きます。

  4. 調査設計・調査票作成1〜2週

    提示順のローテーション、絶対評価と相対評価の組み合わせ、対象者条件、サンプル数を設計します。1人あたりの提示案数は、回答負荷を踏まえて設定します。

  5. 実査2〜4週(CLT/HUTは4〜8週)

    インターネットリサーチは割付の充足を見ながら進行。CLTは会場手配・調査員研修・サンプル準備、HUTは試作品の配送・回収を含めて運営します。

  6. 集計・分析2〜4週

    評価プロファイル、受容性マップ、セグメント別分析、価格分析、自由回答の分類などを実施します。

  7. (推奨)ブラッシュアップ後の再検証

    「直して再検証」となった案は、コンセプト文を改訂したうえで簡易的な再測定を行います。2回目は設計を流用できるため、コストと期間を大きく抑えられます。

10 FAQ

よくあるご質問

Q

何案まで評価できますか?

1人の回答者に提示できるのは3〜5案程度が現実的な上限です。それ以上になると回答負荷で後半のスコアが下がり、データが歪む可能性があります。案数が多い場合は、回答者ごとに提示する案を割り振るローテーション設計で対応します。この方式なら、10案以上でも1回の調査で評価可能です。

Q

サンプル数はどのくらい必要ですか?

全体傾向の把握で300〜400、セグメント別に見たい場合は各セグメントで100以上を確保する形でご提案します。ローテーション設計を使う場合は、「1案あたり何人が評価したか」で必要数を計算する点にご注意ください。案数が増えるほど、全体のサンプル数も比例して必要になります。サンプリングの設計については、こちらの解説ページ → もご参照ください。

Q

実物やパッケージがまだない場合はどうすればいいですか?

コンセプト文、イメージボード、簡単なラフ画、動画などで代替できます。ただし味・香り・触感・操作性は文章では評価できないため、実物ができた段階で会場調査(CLT)を挟む二段構えをおすすめしています。コンセプト段階で絞り込み、実物段階で最終確認するという流れです。

Q

費用はどのくらいかかりますか?

手法・案数・サンプル数によって変わります。インターネットリサーチによるコンセプト評価であれば比較的抑えられ、CLTやHUTを含むと会場費・運営費・サンプル製造費が加わるため相応の規模になります。ご予算をお伝えいただければ、その範囲で最も判断に役立つ設計をご提案します。

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