ORIGINAL RESEARCH / INBOUND
2024年6月に実施した第1回調査から約2年。コロナ禍の完全収束と円安背景の中で、訪日外国人観光客の財布事情や日本に求める体験はどう変化したのか?JR新宿駅周辺でのリアルな街頭ヒアリングから、その最新トレンドを紐解きます。
全体としての満足度が「大変満足(86.7%)」と「満足(13.3%)」を合わせると全数(100%)が満足傾向に。前回調査時より「大変満足」が26ポイントも跳ね上がり、日本の観光体験価値が極めて高く評価されています。
航空費用を除く1人あたりの総予算は平均49.3万円に達し、2024年の25.5万円からほぼ2倍に。特に欧米豪系では43.2%が「50万円超」の予算を確保しており、長期滞在に裏打ちされた強い購買力が顕著です。
「歴史文化の見学(93.3%)」や「日本人との交流(90.0%)」の体験率が急伸。日本の食事や買い物といった定番から、日本固有の「人」や「伝統文化」という無形価値へのシフトが進んでいます。
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欧米豪系が全体の75%、アジア系が25%となっています。欧米豪系では米国とオーストラリア、フランスを筆頭に多様な国から、アジア系ではフィリピン、タイ、マレーシアなど東南アジアの新興国となりました。
【分析】
旅行の手配は「個別に手配」が83.3%と圧倒的多数を維持しています。特筆すべきは滞在期間で、14日以上滞在する割合が合計55%(14-20日:30.0%、21日以上:25.0%)となり、前回の10.8%から急激に伸長しました。これは「初めての来日(75.0%)」という層が今回は大半であったにも関わらず、円安を背景に「せっかく日本に来るなら長くたっぷり滞在しよう」というインバウンド心理を裏付けています。
同伴者は、「家族・親戚(43.3%)」がトップとなりました。2位には「夫婦・パートナー(31.7%)」、3位に「友人(23.3%)」が続いています。
「個別手配」で中長期の滞在を選択している背景には、大切な家族や夫婦でのプライベートかつ充実した時間を日本で過ごそうという強い志向が見て取れます。一人旅(自分ひとり)は8.3%に留まり、大半がグループでの観光消費に繋がっている点もマーケティング上、非常に大きな意味を持ちます。
【前回調査からの変化:ソフト体験への完全な昇華】
日本旅行で予定も含めて体験した活動(水色)と、その中で実際にやって「特に良かった(楽しかった)」活動(オレンジ)を比べると、明確なインバウンド消費の深化が見られます。
「日本の食事」が体験100%・良かった度86.4%と不動の地位を守る中、「日本の歴史・伝統文化の見学や体験(体験93.3% / 良かった64.4%)」と「日本人との交流・コミュニケーション(体験90.0% / 良かった59.3%)」が高い評価を受けています。
※依然として「現金(93.3%)」は高いですが、クレジットカード(70.0%)、交通系IC(50.0%)の利用が急速に浸透しています。
※SNS(70.0%)や動画(53.3%)が強く機能しつつ、口コミやガイドブックなどの「信頼のおけるテキスト・体験記」も同時に参考にされる傾向へと多角化しています。「その他」の8.3%にはGeminiやChatGPTなどのAIサービスが挙がり、新たな潮流を感じさせます。
【アジア系の顕著な特徴】
アジア系は「個別手配」が100%。滞在期間は「7〜13日間(73.3%)」が絶対的なボリュームゾーンとなっており、欧米豪系のように14日を超える長期のケースは比較的少なめです。来日回数では、約半数にのぼる46.7%が「3回以上」の訪日リピーターであり、日本旅行のクオリティをすでに良く知っている「信頼とリピート率の高さ」が特徴です。
※アジア系はなんと「家族・親戚」が86.7%を占めます。ファミリー層へのターゲット設定が最優先施策となります。
※食事(80.0%)、人との交流(60.0%)に加え、「自然や景勝地の観光(33.3%)」が全体平均(18.6%)を大きく上回り、伝統文化(33.3%)と同等レベルで強く心を揺さぶられています。
【欧米豪系の顕著な特徴】
団体ツアーの利用が13.3%存在するものの、こちらも個別手配(77.8%)が軸です。アジア系との最大の差別化ポイントは「滞在期間」にあり、実に66.7%が14日以上の中長期滞在(14-20日:37.8%、21日以上:28.9%)です。さらに、今回は82.2%が「初めての来日」。日本を初めての海外旅行目的地として選んだフレッシュな層が、長期のバケーションを利用して来日しています。
※アジア系と異なり、欧米豪系は「夫婦・パートナー(42.2%)」が1位、次いで家族・親戚、友人(26.7%)とバランス良く分散しています。大人旅向けのアプローチが有効です。
※「伝統文化の見学体験(75.0%)」が、アジア系(33.3%)を遥かに圧倒する最大の感動ポイント。また、「お酒(22.7%)」や「ポップカルチャー(36.4%)」、「街歩き(43.2%)」も高く、日本の文化・都市システムそのものを楽しんでいます。
🇵🇭 フィリピン・ショッピング
「新宿でのショッピング。洋服を購入し、ドラッグストアでもお土産をたくさん買い込みました!」
🇹🇭 タイ・日本の伝統体験
「富士山近くの旅館に泊まり、浴衣を着てみんなで食べた夕食が本当に最高の思い出です。」
🇲🇾 マレーシア・日本のホスピタリティ
「人々が本当に親切。他人に尊敬の念を持って接してくれますし、時間に正確で規律がある社会に感動しました。」
🇺🇸 米国・日本の景観と自然
「富士山と桜、京都の伏見稲荷で撮った千本鳥居の写真は一生の宝物です。京都龍安寺の枯山水や緑の庭園もとにかく美しい。」
🇳🇱 オランダ・日本独自の文化共存
「自国とは違い、秋葉原はコスプレなど、誰もが自分らしさを表現できる。京都が伝統だけじゃなく、モダンで便利な都市だったことも驚きました!」
🇵🇹 ポルトガル・街の清潔さと治安
「街にゴミ箱がないのにゴミが一つも落ちていないし、治安もいい。国営ひたち海浜公園の花も美しく、公害のない綺麗な空には驚嘆した。」
旅行者の心に深く刺さる日本のディテール
「大変満足(86.7%)」「満足(13.3%)」となり、不満派はゼロ。前回の満足計86.4%から13.6ポイント、大変満足の割合は26.1ポイントも上昇しており、旅行中に提供される各種サービスの質が総じて極めて高かったことがうかがえます。
「必ず来たい(78.3%)」「来たい(20.0%)」の合計。特にアジア系は「必ず来たい」が86.7%に達し、地理的な近さと安心感を背景に、再訪日への強固な意向が顕在化しています。
現場の「リアルな生の声」から、確かなインサイトを。
株式会社フェイス・コムでは、今回ご紹介した新宿駅周辺での訪日外国人街頭ヒアリング調査をはじめ、店頭アンケート調査、ターゲット層へのデプスインタビュー、多様なロケーションでの通行量調査、ミステリーショッピングなどをワンストップで承っております。
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